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腰痛・ギックリ腰

腰痛には、急性腰痛(ギックリ腰)と慢性腰痛があります。

ギックリ腰(急性腰痛)

椎間板ヘルニア(赤く飛び出た部分)

ギックリ腰は、重い物を持ち上げた時やくしゃみをした時などに突然腰が痛み、動けなくなる症状をいいます。原因は、椎間板にひびが入ったり、筋肉が肉離れを起こして、腰の筋肉が異常に緊張するために起こると言われています。

  • 腰部椎間板の断裂・ヘルニア
  • 腰部椎間関節症
  • 腰痛圧迫骨折

などが考えられるためレントゲンやMRIで腰椎の異常を調べます。

治療は、

  • 薬物療法(消炎鎮痛剤、筋弛緩剤、場合によっては抗不安薬、抗うつ薬)
  • 神経ブロック療法

などが行われています。

いずれにしても、炎症が治まるまで鎮痛剤を飲んだり、冷湿布を貼ったりして、安静が指示されます。

しかし、日常の生活で突然起きる腰痛の場合、上記のような診断はほとんど関係ありません
※年配の方(特に女性)が尻もちをついた場合は、圧迫骨折が考えられます。

ギックリ腰は、腰の筋肉のズレが原因で起こります。

ギックリ腰を経験された方はわかると思いますが、多くの場合、寝不足の時やいつもよりハードワークが続いた後に起こります。疲労が蓄積していると筋肉の動きが鈍り、何気ない動作で筋肉が収まっている骨の溝からはずれたために痛みを引き起こします。(普段から冷湿布や鎮痛剤などで血流を悪くしてしまうと、老廃物が溜まり、筋肉のずれを引き起こしてしまうのです。)

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腰の腱が収まっている状態 腰の腱がはずれている状態

痛みは筋肉の炎症ではなく、筋肉のズレから生じているので、ずれている筋肉を元の位置に戻すとその場で痛みが軽減し、動きが楽になります。

その後は、安静にせずに膝の屈伸や歩くことでしっかり溝に筋肉が収まり、どんどん楽になっていきます。湿布は貼る必要がありません。

 

慢性腰痛

腰痛が3ヶ月以上続くと、慢性腰痛ということになります。
一般的な整形外科の診断では

  • 腰部椎間板ヘルニア
  • 変形性腰椎症
  • 椎間関節症
  • 骨粗鬆症
  • 腰部脊柱管狭窄症

などがあげられています。

しかし、上記のような変形が腰椎に見つかった患者さん話を聞いてみると、常に痛むわけではありません。日によって痛みが強くなったり、時間によっては痛みが楽になったり・・・。

ヘルニアや骨の変形は変わらないのに、なぜ痛みだけ変わるのでしょうか

ご年配の方の腰を調べれば、ほとんどの方に変形があると思いますが、全員が痛んでいる訳ではありません。

痛みのある人がレントゲンを撮ると変形が見つかるだけで、痛みがない人を病院に連れて行ってレントゲンを撮っても変形は見つかります。

つまり、レントゲンを見ただけでは、痛みの有無は判断できないのです。

慢性腰痛の原因以前、NHKの「ためしてガッテン」等のテレビで取り上げられましたが、慢性腰痛の原因は

○椎間板ヘルニアによるもの 5%
○脊柱管狭窄症や圧迫骨折  9%
○その他(腫瘍など)    1%

といわれています。

つまり、85%は原因不明
ということになります。

では、本当の原因はなんでしょうか。

番組ではストレスを挙げていました。
慢性腰痛のメカニズムを簡単にまとめると
ストレス→痛みを和らげる脳(側坐核)の働きが低下⇒痛みがひどくなる
ということなので、抗うつ薬が処方されることもあるようです。

しかし、確かにストレスは痛みの誘因にはなりえますが、原因ではありません。

当院では、以下のように考えています。

原因不明の85%は筋肉の異常によって引き起こされているのです。
上記の診断はすべて骨の異常です。いくらレントゲンやMRIで骨を調べても、筋肉に着目していないので原因が見つからないのです。

筋肉は本来、骨にある溝に収まっています。

しかし疲労がたまってくると、筋肉が徐々にずれくるために、運動制限が出たり、神経に触れて痛みます。
また、筋繊維がずれたり捻じれたりすることで、筋肉内で血液が滞り、パンパンに張ってしまいます。これが慢性的なコリや疲労感の原因になります。

こういった筋肉の歪みが取れないと、いくらマッサージをしたりお風呂に入ったりしても、一時的に血液が流れるだけで、また流れが滞っていまいます。

そこで、筋肉を正常な位置に調整し、筋肉どうしをしっかり分けて関節の動きを良くすることで、痛みをなくし、血流やリンパ循環を回復させます。
だからこそ、その場で痛みや運動制限が回復し、その効果が持続するのです。

 

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参考までに、よく言われる他に原因についても考えてみましょう。

筋力(腹筋)が弱い?

筋力、腹筋や背筋が弱いが原因で腰が痛むんだと言われる方がいます。
スポーツ選手は素晴らしい腹筋を持っていますが、腰痛持ちの方がたくさんいます。
逆に、一般的に腹筋が弱い女性や子供は、腹筋が強い男性より腰痛になる割合が少ないことがわかっています。(厚生労働省ホームページ参照)
まして、腰痛持ちの赤ちゃんには出会ったことがありません

問題は腹筋の強さではなく、背筋や腹筋群の位置関係や大腰筋の状態が重要です。

 

骨盤の歪み?

骨格が歪むのは筋肉の位置やバランスが悪い結果です。多くの人の骨盤は歪んでいますが痛みを感じていないのは、歪んでいても痛覚の神経さえ刺激なければ痛みは感じないからなのです。
また、寝た状態でいくら骨盤や足の長さをそろえても、起き上がると筋肉に力が入るため、たちどころに歪んでしまいます。