プールを歩くのは健康にいいか?(その2)

前回に引き続き、プールでのウォーキングのデメリットの話です。

 

浮力の影響

私たちは地球上で生活している以上、常に1Gの重力が働いています。

お医者さんがよく勧めるケースは「プールは浮力があるから膝にやさしい」という理由から。

膝の軟骨が擦り減らないように負荷をかけない配慮かもしれませんが、全く逆です。

 

軟骨の細胞は、栄養を与えただけではそんなに増えてくれません。

そこに重力等の圧力がかかると、急激に細胞分裂して増え始めます。

つまり、重力が膝にかからなければ、逆に軟骨は作られにくくなってしまいます

ちなみに軟骨自体に痛みを感じる神経はきていないので、軟骨が擦り減っているから痛むことはありません

 

骨も同様です。

カルシウムをいくら摂取しても、水の浮力で骨に重力がかからなければ、カルシウムは捨てられるだけで骨にはなりません

さらに屋外を歩けば、日光でビタミンDが作られ、骨が丈夫になります。

ウォーキンング.jpg

 

何週間も寝たきりで立てないくらい筋力が弱っているのならプールから始めるのもいいですが、普段の生活が出来るなら地上を歩きましょう。

そうすることで、重力に負けない筋肉(抗重力筋)が鍛えられ、骨や軟骨が丈夫になります。

 

「畳の上の水練」ならぬ「プールの中の歩練」は、ウォーキングの多くのメリットを減らしてしまいます。

もちろん水泳は全身運動なので、①や②のデメリットがあっても健康増進に一役はたしますので、泳ぐのが好きな方はプールで存分に泳いでください。